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パリで見上げる月は、碧色の海を航海する船のようで。 P063.

 お風呂あがり(といってもシャワーしかないのだが)、日本からわざわざ持ってきた特製のマグカップに水を注ぐ。一気に飲み干す。硬いミネラルの味が口いっぱいに広がる。ここが日本ではないことを実感する。

 部屋に備えつけられた、たぶんそれほど高価ではないワイングラスを引っ張り出してきて、赤ワインを注ぐ。鼻に近づけると、きりっとした香りが漂う。僕はひとくち飲む。悪くない。日本での宅飲みはビールばっかりだったが、こちらでは赤ワインが中心になりそうである。それもまぁ、いいだろう。

 ソファーに座って窓の外に目をやると、トゥールモンパルナスが真正面にそびえ立つ。59階建てのタワーで、その手前に広がる古く伝統的な景観とはまったく異なり、一瞬ここがパリであることを忘れさせられる。その奥にはエッフェル塔があるようで、トゥールモンパルナスを背後から光線で照らし出す。なんて幸運な景観の部屋だろう。

 赤ワインを飲み干し、2杯目を注ぐ。そういえば、フランスで赤ワインのことをルージュと呼ぶそうだ。

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正直がいちばん。
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物書き、コンテンツプロデューサー。フランス移住を一時断念し帰国。あなたの人生が動き出す本『ヴェヴァラサナ王国』を1日1ページ更新中。ツイッターも。https://twitter.com/hiroomisueyoshi
コメント (1)
ルージュ、響きが綺麗ですね。
パリの情景が目に浮かびます。
これからのパリ生活、楽しみですね
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