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絶望の青春。

外は冷たい雨。お酒で体を温める。今宵はひどくnoteを書き始めるのがつらい。どうしてだろう。考えてみたところで、ろくなことがなさそうなのでやめておこう。それでも、ほとんど乾ききった雑巾を絞るようにして、一滴の文章を絞り出さんと腕に力を入れる。ぎゅうぅ。

遡ること数時間前、東京丸の内で奥さんとカフェで過ごしていた。ぼくはふらりと本屋さんへ。まずは最近ひっそりと力を入れている投資本のコーナーで立ち読み。続いて音楽のコーナーへ立ち寄り、ソニー・ロリンズの中国行きのスロウボートについての話に浸る。ちらりと小説コーナーを覗くも棚が狭いのでほぼスルー。最人気の占い師しいたけさんの本の乙女座のページをを立ち読み。( しいたけさん、すみません。。。でも、noteの月刊おとめ座を購読しました )

本屋さんを後にしようとしたその時、海外の翻訳小説の特設コーナーを発見。20冊くらいの本がひと言コメントと共に紹介されていた。インド系アメリカ女性の短編集に惹き込まれてしばらく立ち読み。購入を決めてレジに向かおうとしたその瞬間、視界の片隅に、ほんのちらりとある本が目に入った。

『マーティン・イーデン』 ジャック・ロンドン

本棚から抜き出して表紙を見る。

ドンッ!!!

絶望の青春

大きく、そんな文字が目に飛び込んできた。カヴァーも黒を基調としたタイプライターの重々しいデザイン。くるりとひっくり返し背表紙を確認する。

「残酷なほど力強い本だ。パワフルな絶望。前向きな自滅。」村上春樹

胸が高鳴り、迷うことなく、レジに向かう。カフェで待つ奥さんの元へ戻ると、あらためて本の表紙を愛でるように撫でる。匂いを嗅ぐ。そして、心躍らせながら最初のページをひらいた。

ジャック・ロンドンは好きな作家だったが、この本の存在は知らなかった。だから、どんなにAmazonが便利であろうと書店に通うのはやめられない。


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うれしいニャー。
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物書き、コンテンツプロデューサー。フランス移住を一時断念し帰国。あなたの人生が動き出す本『ヴェヴァラサナ王国』を1日1ページ更新中。ツイッターも。https://twitter.com/hiroomisueyoshi