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幸せの綿毛をふわりと風に乗せて。

街角を曲がる。暗闇の向こう側からひとりの女性が歩いて来た。女の子から女性へと階段を登っている。彼女は大切そうにスマートフォンを両手で包み左耳に押し当てている。小春日和の縁側でくつろいでいる猫のような表情をしていた。ふわふわと雲の上を歩いているような足取りで。すれ違うと、幸せの香りがした。

たぶん、きっと、出来たての彼氏と電話をしていたのだろう。そうでなければ、片思いのお相手との会話だったのだろうと思う。彼女のまわり半径1メートルだけ、春の陽だまりのように暖かくて明るかった。久しぶりにこんなにも幸せそうな笑顔に出会ったような気がする。

じぶん自身の状態というものは、思っているよりも、まわりの誰かに筒抜けなんだなぁと思わされた。喜びや嬉しさも、逆に怒りや悲しみも、とりわけ感情と呼ばれるものは、あえて伝えようとしなくたって、伝染してしまうものである。

だから、できる限り、ご機嫌でいたいものだ。ただそれだけで、道ですれ違っただけの人にだって、幸せの綿毛をふわりと風に乗せて届けることができるのだから。

あ。でも。だからといって、じぶんのなかにある感情に嘘をついたり、蓋をするのもなんだか違う気がする。怒りや悲しみだって、ちゃんと感じてあげることは大切だと思う。そうやって責任を持って感情を感じていたとしたら、まわりに公害を垂れ流すような状態にはならないと思うから。

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物書き、コンテンツプロデューサー。フランス移住を一時断念し帰国。あなたの人生が動き出す本『ヴェヴァラサナ王国』を1日1ページ更新中。ツイッターも。https://twitter.com/hiroomisueyoshi
コメント (1)
はじめまして、末吉 宏臣さま!
私のNOTEにスキとフォローをして頂き、ありがとうございます。
不躾ですがコメントにて返させて頂きますね (。☌ᴗ☌。)

とても素敵なエッセイです!
これから記事もゆっくり拝見させて頂きます!!(*´ω`*)
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