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ハロウィンの朝の小さな祈り。

気持ちよく晴れ渡った空の下、街には小さなおばけが溢れてる。

白昼堂々、マンションの前で顔を向かい合わせるおばけたち。くすくすとした笑い声が漏れてくる。静かに暮らす住民をどうやって怖がらせるか作戦会議でもしてるのかな? 小洒落た洋服屋さんの店先にはちょっと照れた表情のひょっこりはん。・・・に扮したおばはん、、なんて言ったら怒られるか。まあなんにせよ、平和な一日ということだ。

いつもよりも口元を緩ませながら道を歩いていたら、今日の仕事場が渋谷であることを思い出した。大きなおばけたちが押し合いへし合いする光景が目の前に浮かんで、さっきまで明るかった景色がワントーン暗くなった。まあとにかく、平和なまま一日が終わりますようにと祈った。

なんて書いていたら、手元のスマホがメッセージの着信を知らせてくれた。奥さんからのようだ。「云々カンヌン…今日の渋谷は激しいぞ!  注意してね」というメッセージ。ありがとう、僕もそう思っていた最中だよ。

うーん、と顎をさする。これは致し方ない…。目の前をちょこちょこと歩いている小さな魔女にお願いしよう。手に握られた魔法のステッキをくるくるチョンとやって、渋谷の、いや全国の大きなおばけたちが悪さをしないようにしてください。

そうして僕は山手線の電車へと乗り込んだ。

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深呼吸、深呼吸〜。
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物書き、編集者。年内フォロワー1万人を目指してます。応援よろしくお願いします。小説集『ブンガクフリマ 28ヨウ』に短編小説が掲載。自分らしく生きるためのメルマガを月額400円で配信中。ツイッター:https://twitter.com/hiroomisueyoshi
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