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急ぎたいわけでもないのに、ぼくらはなぜ急ぐのか。

CMでもお馴染みエビスビールの音楽が流れるJR恵比寿駅の改札を出る。お店やレストラン、映画館や美術館が集まる複合施設である恵比寿ガーデンプレイスへと足を向けるとすぐに、恵比寿スカイウォークと呼ばれる「動く歩道」が見えてくる。要は角度のない平坦なエスカレーターのことである。

動く歩道の左端には足を止めた人の列。右端は立ち止まらず歩いていく人の列。ぼくの目の前を歩く人たちのほとんどが動く歩道に吸い込まれてゆき、左右どちらかの列に合流する。

恵比寿ガーデンプレイスへと向かう動く歩道と、反対に駅へとやってくる動く歩道のあいだには、動かないふつうの歩道がある。道幅は動く歩道の2〜3倍はあるだろうか、とにかく広々としているのだ。広々としているはずなのに、パラパラと数えるほどしか人は歩いていない。

その光景をぼやぁっと眺めていると、ふと違和感を感じた。動く歩道がずいぶんと窮屈そうに見えたのだ。左の列で足を止めている人たちを、右の列の人たちは肩をずらして避けながら通り過ぎていく。

どうしてあえて狭い道を歩いていくのだろう?
数秒でも数十秒でも、一刻も早く目的地に到着したいのだろうか?

別にそんなつもりで動く歩道を歩いてるんじゃない、という声が聞こえてきそうです。ぼくもそれを否定したいと思って書いているわけではありません。ただ、じぶんのこととして、不意に違和感に襲われたのです。

( ほんとうは )特段急いでいるわけではないのに、なぜ快適ではない動く歩道のほうを選んで歩くのだろうか。

そう考えていくと、ぼくのなかに、「ちょっとでも早いほうが得だ」という考え方がひっそりと、しかし頑固に居座っているのを発見した。じつはこれ、じぶんではない誰かの考え方がこっそりとぼくの頭のなかに入ってきているだけかもしれない、そんな疑いを持った。

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深呼吸、深呼吸〜。
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物書き、コンテンツプロデューサー。フランス移住を一時断念し帰国。あなたの人生が動き出す本『ヴェヴァラサナ王国』を1日1ページ更新中。ツイッターも。https://twitter.com/hiroomisueyoshi
コメント (1)
自分の場合は単純なワクワク感もあるのですが、無計画なので「ああっあそこでちょっと急いでたら急行乗れたのに!」みたいな経験が積み重なって急げるところは急いでおく癖がついてます…笑
(P.S. たまにスキを頂けて励みになっています。ありがとうごさいます。)
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