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くしゃしくしゃの紙に閉じめられた、真っ黒な愛情。 P024.

 ぼくは我慢強くない、んだと思う。それが功を奏するときもあれば、それによって失われている色々もたくさんありそうな気がする。でも、それもまぁ仕方ないと、自分の性質を受け入れて生きている。たとえば、今日これから書く内容なんかが、そうだ。

 ぼくはあがった息を整えて、iPhoneのカメラを母に向けた。いつにもなく緊張している面持ちで、くしゃくしゃになった紙を両手で持ってソファーに腰かけている。「いくよ」ぼくは言う。「ちょっと待って」母は下を向いたまま答える。ぼくは亀のように首を伸ばして、ぶつぶつ言っている母の手元を覗いた。

 太めのマジックペンで書かれた文字が並んでいた。決して上手いとはいえないけれど、丁寧に、いや一生懸命に、書かれているように見えた。それは何度も二重線で消されていたり、ところどころ四角で囲われたりしていることから伝わってきた。

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レット・イット・ビー
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物書きや編集者もやっている、偶然の風に吹かれて生きる旅人。同人誌『ブンガクフリマ 28ヨウ』に短編小説が収録されています。ツイッターも。https://twitter.com/hiroomisueyoshi

コメント6件

末吉さんは、お母さん似なんじゃないですか。
そんな気がする内容でした(笑)
あーちゃんさん、
言葉に込められたエネルギー、うれしいです✨
michi7cchiさん、
はい、ご挨拶ははじめてかと思います。
読んでくださって、ありがとうございます。
こういうメッセージは本当にうれしいですね。
書いてよかったなぁ〜
おすぎさん、
ほぉ〜、はぁ〜、う〜ん、
なるほどです、意外とそうかも(笑)
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