見出し画像

つめたい雨に誘われて。 P008.

 東京の天気は雨。「けっこう降ってますね。午後にはやむと言ってたんですけど、そんなことなさそう」行きつけの喫茶店のオーナーの奥さんが窓の外を眺めながら物憂げに言った。「そうですね」上の空で答えて、お店をあとにする。ビニール傘をひろげて、雨の街へと歩き出した。

 駅ビルに着く。エレベーターを待つあいだ、傘をつたって雨のしずくが流れ落ち、ちいさな水たまりをつくる。ゆっくりと面積を広げていくそのさまには、寧静な趣きさえ見て取れた。目を上げるといつのまにかエレベーターはUターンしていたようで、3Fを通過中だった。ぼくはまた足もとの湖へと視線を戻した。

 これは、『ヴェヴァラサナ王国』という本(のようなもの)をご購読いただいている方だけが読めるようになっています。2,000円の買い切りで、過去の note 読み放題、ここでしか読めないコンテンツもどんどん追加予定です。

この続きをみるには

この続き:778文字
この記事が含まれているマガジンを購入する
まいにちの note をすべて読めます。ここだけでしか読めない原稿もあります。

読むだけで、あなたの人生が動き出します。これは、わたしとあなたの物語の本です。ぼくの人生とあなたの人生がリンクして、人生物語が動き出します。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

今日も来てくれてありがとうございます。
73
物書きや編集者もやっている、偶然の風に吹かれて生きる旅人。同人誌『ブンガクフリマ 28ヨウ』に短編小説が収録されています。フォロワー1万人を目指していて、あと119人です。ツイッターもやってます。https://twitter.com/hiroomisueyoshi
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。