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「ほんとうにやりたいこと」ってなんだ?

時には真剣に考え、時にはあきらめたり、時には忘れちゃっていたりしながらも、やっぱりその問いは、ずっとぼくのそばを離れてくれない。まるで影のように、ぴったりと一緒にいる。(見えないときも、見えるときもあるけど)

もしもこの問いが一人の人だったとしたら、ぼくを悩ませもしてくるし、助けてもくれる、ホントにつかみどころのない奴だ。

たとえば、彼にささやきかけられると、自分が余計にわからなくなる。いままで通り働いているだけだったら、悩みもせず生きていけたのに、彼が現れるとそうもいかない。ゴールの迷路に迷い込んだ気分になって、インドなどに旅に出たくなってしまう。とっても厄介な奴である。

しかし、悪口ばっかり言ってると怒られそうだから、いいところも考えてみよう。人生を劇的に変える後押しをしてくれる頼もしい奴だ。たとえば、村上春樹さんは、29歳までジャズ喫茶店を営んでいたあるとき、確か神宮球場の外野席でふと、「そうだ、小説を書こう」と思って、万年筆と原稿用紙を買ってきて、仕事が終わってから、台所で一時間二時間と書き始めて小説家への道を歩き出したそうです。想像にしか過ぎないが、村上春樹さんの耳元で、彼がささやきかけたんじゃないかと思う。「ほんとうは何をやりたいの?」と。人生の景色がまるで変わってしまうような変化が起こるとき、彼が影で活躍してくれている。(、、、はず)

そんな彼が、最近、ぼくのところにやって来た(まだ、どう受け止めていいやら躊躇しているのだが)。いつやって来たのかを思い出してみると、こんな言葉がきっかけだったように思う。

結論から言ったら、人間というのは、やっぱり二十四時間遊んで暮らせてね、それで好きなことやって好きなとこ行って、というのが理想なんだと、僕は思うんだけど。

吉本隆明さんと、聞き手としての糸井重里さんというコンビで書かれた「悪人正機」という本。綺麗に飾られた言葉が一切なく、生身の言葉だけで書かれた内容だ。続けて、こんな言葉。

人間ってのは何だっていうと、要するに子供がいちばんの基準だと思いますね。子供って、一日二十四時間、全部遊びじゃないですか。生活イコール遊びなんですよ。あれが理想でね、そいつを歴史になぞらえてみると、未開原始の社会と同じなんですね。
みんなゴロゴロしてて、木の実採ったり、カヌーかなんか漕いで魚獲りに行ったりしてさ。それをみんなで分け合って食って終わりという・・・あれが原始的理想で。
つまり、働くってことは、あんまりいいことじゃないってことを言いたいわけです。仕事をなんでするのか、に戻ると、僕なんかもう、苦痛でしょうがねえって言いながら(笑)。やんなきゃ食えねえからって。
まあ、そうは言いながらも、もし僕が書くことを禁じられたら、怒るということはあるわけです。けど、やだやだと思いながらやってるんで(笑)。
やだやだと思ってても、うまく書けたなって時は、ものすごい解放感ってあるでしょう。調子いいときは、うまく書けたという解放感があって、それで銭ももらえるんだから、これほどいいことないやって思う時もありますね。

切れ味するどいというより、鈍刀のようなもので、「ほんとうは何をしたいの?」と、頭と胸をドシンと切りつけられた。

確かに子どもでも同じかもしれない。立って歩くという新しい遊びをしようすると、転ぶという痛みもセットなわけで。ぼくも、はじめて自転車に乗る練習をしたときのことを思い出した。乗りたいけど転ぶの恐い、痛い。恐いし、痛いけど乗りたい。

ぼくらが「ほんとうにやりたいことをやって暮らす」という最高の遊びには、大変なことや悩みもセットなんだと思う。「らく=たのしい」ではないんだろうな。100%生きてるというか、充実した暮らしというのが近い気がする。

ぼくにとって、そんな暮らし方はどんなものなのか、「ほんとうは何をしたいんだろう?」君としばらく話し合おう。この記事をいつか読み返したとき、「思えば遠くまで来たもんだ」なんて言えるようになっているといいなぁ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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【第6回目のコンテンツ紹介】
『悪人正機』
 著:吉本隆明さん、聞き手糸井重里さん

ごまかしやウソのない生々しい言葉の一つひとつが、頭と心というよりも体にドスンと入ってきます。


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物書き、編集者。年内フォロワー1万人を目指してます。応援よろしくお願いします。小説集『ブンガクフリマ 28ヨウ』に短編小説が掲載。ツイッター:https://twitter.com/hiroomisueyoshi

コメント2件

こちらから失礼致します。
末吉さん。 曲を聴いて下さり、
スキをありがとうございます。(*^^*)
澤木さん、
こちらこそコメント嬉しいです。
ありがとうございます。
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